新時代の電力システム そのグランドデザインを考える

新時代の電力システム そのグランドデザインを考える

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出版社
次世代エンジニアリング・イニシアチブ
著者名
関根泰次 , 松田道男 , 鈴木浩(電力システム) , 大来雄二
価格
1,980円(本体1,800円+税)
発行年月
2024年4月
判型
A5
ISBN
9784991358906

エネルギーシステム、中でも電力システムは我々の社会を支える上で多面的な役割を担っているが、その役割は時代の流れとともに変化し、それが支える国や人々の在り方にも強く影響される。言い換えれば電力システムの果たすべき役割は時代がどのように変化しつつあるかに依り、この地球上の何処に位置するかによって大きく変わる。
 1970 ~ 1980 年代の日本の高度成長時代、我々が日本の電力システムの発展のために取り組んできた課題と、今日解決しなければならない問題がいかに異なるかは、敢えて事例を掲げるまでもないであろう。今日、国を挙げて取り組んでいる環境問題然り、資源問題然り、電力自由化然りである。我々の電力システムはこの様な変化に対応して進化してきたし、これからも進化し続けるであろう。
 グローバルな政治情勢の変化により発電用燃料の量的確保が困難になり、その価格が極めて不安定になった。自然災害発生の頻度やその規模が大きくなる傾向も年々顕著になりつつある。そのような周囲状況の変化の中で電源や電力流通設備への設備投資、維持投資意欲が減退して電力供給を不安定化している。国内的にも国際的にも迫りくる脱炭素対応は、電力事業の将来に向けての投資意思決定を困難にしている。
 我々人間社会は電気以外にも交通、水、情報、等様々な社会インフラに支えられているが、電力システムは他の社会インフラに見られない、電力システム特有の稀有の特性を持っている。それは通常世の中に存在するものは一般に品質の良いものは品質の悪いものより値段が高いしそれを作り出すにもより大きな費用を必要とするが、電気エネルギーの場合 品質を良くすればする程経済性もよくなるという特質を持っていることである。電力システムに特有のこのすぐれた資質は電力系統の連系(interconnection)という技術によってもたらされるのであるが、この技術は一方で小さな事故が周りに波及して健全な部分の機能まで損じ、最悪の場合、次々健全な部分までその機能を奪ってしまうという危険性を秘めているのである。(「はしがき」より)

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