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ジョージ・バークリ(1685-1753)は経験論の哲学者であり,ロックとヒュームの中継ぎというのが通説であった。本書では主要著作を検討し,彼の全体像を明らかにする。開かれた視点から見ると,感覚を重視する経験論者とは彼の一面でしかないことが分かる。
本書は従来のバークリ像を破壊し,哲学史の書き換えに挑む。すなわち,知性の認識する生得的思念であるイデアをバークリは容認していた。感覚的対象はイデアの具体的な表現,美や善や徳などの知性認識を表示する象徴的記号となる。記号はバークリの哲学にとって感覚と知性を結ぶ重要な役割を担っており,その記号に基づいて,一方では経験から離れず,他方ではイデアを認めているのがバークリ哲学の特徴と言えよう。
第Ⅰ部では,バークリ独自の「記号理論」を検討する。記号の創意や操作や意味などが,経験,自然学,形而上学,神学などに等しく関与していることを考察する。
第Ⅱ部では,自然学から形而上学への上昇過程を分析し,彼がキリスト教的プラトン主義者であることを示す。このようにバークリは,デカルトやスピノザ,ライプニッツなど大陸の哲学者に劣らず,形而上学をイギリス哲学史に刻んだ。これによりイギリスと大陸の哲学を架橋し,17,8世紀の哲学研究を活性化させるであろう。
第Ⅰ部の記号論の基礎研究を踏まえ,第Ⅱ部で学問論を展開する本書の試みは,今後の哲学研究に新たな扉を開くに違いない。
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