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私たちをとりまく社会・環境には、様々な時代に建てられた多種多様な建造物が混在している。
これらの建造物は、過去から現在まで積み重ねられた記憶、即ち歴史の蓄積を伝えており、それらが残され、使い続けられることにより、生活を豊かで味わいのあるものとしている。
しかし、経済優先の現代社会においては、一面的かつ短絡的な価値判断により、多様な価値を有する歴史的建造物の意義が見失われ、破壊や場当たり的な改変がなされている。
歴史的建造物をどのように調査するのか、調査した建造物の特質をどのように読み取るのか、その特質を踏まえてどのように保存を行ってゆくべきなのか、その保存のための制度の課題は何か。
長年にわたり調査・研究・保存に携わってきた知見より、
歴史的建造物を保存し将来に伝えて行くための考え方と、その具体的な事例を提示する。
※本書は『日本建築の歴史的評価とその保存』(2020年2月刊行)の新装版です。
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