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「けれども私は待ち望んでいるのかもしれなかった。/目の前の風景が白く永遠と広がってゆく中で、/かつて互いのまぶたの上をかすめていたほのかな明かりと、/互いに感じあっていた微かな体温とが、/忘れ去られ、忘れ果てることを。」(「ある愛の風景」より)
なんでもないような風景に目をやれば、そこには記憶や過去の人々が、ふいに映し出されてしまう。おぼろげに揺らぐ、ともすればつかみそこない、のがしてしまうものを、二人称の呼びかけによってたしかめていくように綴られた41篇の詩。抒情詩の精髄を引き継ぐ詩人の第2詩集。
装幀=清岡秀哉
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