アリストテレス ニコマコス倫理学

NHK「100分de名著」ブックス

アリストテレス ニコマコス倫理学

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出版社
NHK出版
著者名
山本芳久
価格
1,210円(本体1,100円+税)
発行年月
2024年8月
判型
四六判
ISBN
9784140819722

幸せを獲得するためにすべきことが詰まった「実践哲学」の書!

天文学、生物学、詩学、政治学、論理学、形而上学などあらゆる分野の学問の基礎を確立し、「万学の祖」と呼ばれる古代ギリシャの哲学者アリストテレス(前384-前322)。彼が「倫理学」という学問を歴史上初めて体系化した書物が『ニコマコス倫理学』だ。
「倫理学」と訳されているギリシャ語は「人柄に関わる事柄」という意味で、彼が倫理学と呼ぶものは、義務や禁止といったルールを学ぶことではなく、どのような人柄を形成すれば幸福な人生、充実した人生を送ることができるのかを考察することだった。
アリストテレスは、幸福とは人間がもっている固有の能力を発揮することであり、そのためには、外的な幸運を生かすための内的な力である「徳(アレテ―)」を身につける必要があると考えた。その「徳」は一定の行動を繰り返し習慣化することで「性格」となり、身につけることができるという。また、人間同士の相互的な絆のことを「友愛(フィリア)」と呼び、それらを分類・分析することで、幸福になるために必要な友愛とは何かを明らかにすべく、思索を深めていく。
「幸福とは何か」を多角的に考え抜き、それを獲得する方策を説いたのが『ニコマコス倫理学』であり、現代人にとっても大切な「正義」や「欲望」、「生き方」や「友情」などの在り方について、読者がわが身に引き付けて考えるための「実践の書」なのだと、著者はいう。その発展的受容という観点から、特別章を加筆。キリスト教とギリシャ哲学を融合させたトマス・アクィナスの思想に『ニコマコス倫理学』の実践を見る。

はじめに 「いかによく生きるか」を考える学問/第1章 倫理学とは何か/第2章 幸福とは何か
第3章 「徳と悪徳」/第4章 友愛とは何か/ブックス特別章 アリストテレスとトマス・アクィナス ~『ニコマコス倫理学』から『神学大全』へ/読書案内/おわりに

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