2023年5月に他界した、ウクライナ出身の世界的なアーティスト、イリヤ・カバコフの未公開作品が、この夏開催される「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2024」にて初公開となる。カバコフは日本にもゆかりが深く、同芸術祭には2000年の第1回展から参加してきた作家である。
《さまよえる星》という作品は、ウクライナ作家がユダヤ人芸術家の苦悩を描いた長編小説の挿絵として1956年に制作されたもので、旧ソ連ウクライナ共和国ドニプロのユダヤ人家庭に生まれたカバコフにとって、自身のルーツをたどる契機となった重要な作品であるという。50年代後半のウクライナで、秘密警察に踏み込まれることを恐れながら暮らしていたカバコフが「恐怖のあまり描かずにいられなかった」と語るドローイング《逮捕》(1959, 1960)なども含め、世界初公開となるドローイング作品群を収録。
[展覧会]
大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2024
「知られざるカバコフ-生きのびるためのアート」
会期:2024年7月13日[金]―11月10日[日]
会場:越後妻有里山現代美術館MonET
www.echigo-tsumari.jp
70年におよぶドローイングを通じ作家の思想をたどる。旧ソ連(現ウクライナ)出身でロシアにも長年暮らし、2023年に没したイリヤ・カバコフの創作の軌跡をたどる展示。
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