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「これは歴史の本ではあるが、現代と密接にかかわる本でもあるとわたしは思っている。この世界にはいまだに多くの独裁者がいて、そのうちの何人かは、わたしたちを破壊する手段を手にしているからだ。」
20世紀最大の独裁者ヒトラーとスターリン。直接顔を合わせることはなかったが、敵対というかたちで濃密な関係をもった。
最初の短い同盟関係ののち、両者が激突した独ソ戦では、周辺国を巻き込んで大量の人々が殺害された。戦闘だけではなく、集団強制移住や人為的飢饉という政策によって、夥しい人々が犠牲になった。そしてユダヤ人絶滅政策という史上最悪の所業が行われた。
BBCで歴史ドキュメンタリーを制作してきたローレンス・リースは、長年の取材の中で、第二次世界大戦を生きた多くの人の声を聞いた。元兵士や将校、強制収容所の体験者、占領地の民間人…これら未公開の証言が、本書ではふんだんに活かされている。
自らのユートピアを実現しようとして、地上の地獄を作り上げた独裁者たち。強大な権力で人々を支配し、戦争に導いたその政治体制を比較し、第二次世界大戦をかつてないかたちで明らかにする。
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