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よりよい社会を目指しながら敗北した人びとは希望をみたのだろうか
社会の問題と格闘した、マルクス主義の思想家、ブロッホ、グラムシ、ライヒを振り返りつつ、エリボンやグレーバーを手がかりとして新しい時代を考える。
書下ろし。
20世紀のマルクス主義者たちの「敗北後の思想」がどのようなものものだったのかを見直すことは、マルクス主義という思想の問題点を考えることだけでなく、私たち自身が現代の私たちの状況を考える上で、そしてこの「暗い時代」から「より明るい未来」への出口を考える上で、新たな手掛かりを探ることにつながるはずだ。(「はじめに」より)
◎目次
はじめに――暗い時代の希望
第一章 ナチズムと千年王国――エルンスト・ブロッホ
1 ドイツ革命の敗北とドイツ農民戦争
2 「千年王国」の夢とマルクス主義
3 『ユートピアの精神』
4 『この時代の遺産』
5 ナチズム支配の分析
6 『希望の原理』とその後
第二章 ファシズムとヘゲモニー――アントニオ・グラムシ
1 『資本論』に反する革命
2 工場評議会と「赤い二年」
3 ファシズム分析と「南部問題」
4 獄中の思想――ヘゲモニー
5 受動的革命と「現代の君主」
6 最後の思考――イデオロギー
第三章 ファシズムの大衆心理――ヴィルヘルム・ライヒ
1 マルクスとフロイトの総合
2 『ファシズムの大衆心理』
3 『階級意識とは何か』
4 アメリカのライヒ
第四章 労働者階級とは何だったのか
1 労働者階級とプロレタリアート
2 労働者階級の形成――エドワード・P・トムスン
3 労働者階級の変質――ディディエ・エリボン
4 新しい労働者階級――デヴィッド・グレーバー
終章 敗北後としての現在
1 政治的主体の形成
2 「新しい君主」
3 民衆の声を聞く/民衆が声を上げる
あとがき
参照文献
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