中世寺院の風景

法蔵館文庫

中世寺院の風景

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出版社
法蔵館
著者名
細川涼一
価格
1,430円(本体1,300円+税)
発行年月
2024年8月
判型
A6
ISBN
9784831826732

中世寺院を舞台として、中世の人々は何を願いどのように生きたのか。小野小町伝説が伝わる随心院と伝承の担い手、平家滅亡後生き残った建礼門院たちが尼となり生きた寂光院、法隆寺の裁判権と断罪の対象となった寺僧・民衆、像内納入品に見る庶民の信仰心、橋勧進と律僧の交通路整備、南都七大寺の年中行事など、多様な事例の史料を緻密に読み解き、そこに色濃く残る中世の人々の生活、思考・心情を解き明かす。

《目次》

第一章 番場蓮華寺と一向俊聖
  一 六波羅探題北条仲時の滅亡
  二 一向俊聖の行動と思想
  三 番場蓮華寺と箕浦荘
  四 一向宗と畜生道
第二章 京都・小野小町伝説の道
  一 小野随心院と小町伝説
  二 市原野小町寺と「通小町」
  三 南山城井手の小町塚
第三章 中世の尼と尼寺──建礼門院とその女房を中心に
  一 建礼門院と寂光院
  二 四天王寺と理円房・髑髏尼
  三 法華寺の尼たち
第四章 戦国時代の法隆寺と門前検断──『衆分成敗引付』を中心に
  一 盗みと検断執行
  二 法隆寺と門前郷住民
  三 寺僧・郷民の寺社参詣と質取行為
第五章 庶民の願い極楽浄土──海印寺寂照院・光林寺の像内納入文書から
  一 海印寺と宗性
  二 寂照院仁王像の造立
  三 光林寺の阿弥陀如来立像像内納入文書
  四 祇王・祇女・閉の名前
第六章 鎌倉仏教の勧進活動──律宗の勧進活動を中心に
  一 顕密寺社の復興と勧進
  二 律宗の海上交通路進出
  三 橋勧進と橋寺──泉橋寺・宇治放生院・一条戻橋寺
第七章 源実朝室西八条禅尼と遍照心院
  一 実朝室の出生と実朝との婚姻
  二 西八条禅尼と遍照心院
  三 廻心房真空と遍照心院・安達泰盛
  四 律宗寺院遍照心院
第八章 中世大安寺の年中行事
  一 禅恵・玄基による大安寺の復興
  二 大安寺の年中行事
第九章 延方普門院の船越地蔵と忍性
  一 普門院船越地蔵と忍性
  二 船越地蔵の霊験譚
  三 地蔵堂柱の地蔵講交名と潮来遊女
初出一覧
文庫版あとがき

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