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東京・八王子にある大正十年創業の「本庄呉服店」。
その二代目店主の養女・琴子と三代目店主の次男・柿彦は姉弟のように育ち、現在はリユース着物の「本庄の蔵」でともに働いている。
柿彦は店長、琴子は古着の査定役だ。
幼少時から着物に宿る記憶が視える彼女は、いわくのある着物を見抜くことにも一役買っていた。
ある日、ふたりは出張買取に行った先で、戦前のものと思われる椿の柄の銘仙と出会う。
気になって仕方がない琴子は……。
織物の町で繰り広げられる、優しい記憶の物語。
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