病葉草紙

病葉草紙

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出版社
文藝春秋
著者名
京極夏彦
価格
2,420円(本体2,200円+税)
発行年月
2024年8月
判型
四六判
ISBN
9784163918679

人の心は分かりませんが、 それは虫ですね――。

ときは江戸の中頃、薬種問屋の隠居の子として生まれた藤介は、父が建てた長屋を差配しながら茫洋と暮らしていた。八丁堀にほど近い長屋は治安も悪くなく、店子たちの身持ちも悪くない。ただ、店子の一人、久瀬棠庵は働くどころか家から出ない。年がら年中、夏でも冬でも、ずっと引き籠もっている。

「居るかい」

藤介がたびたび棠庵のもとを訪れるのは、生きてるかどうか確かめるため。そして、長屋のまわりで起こった奇怪な出来事について話すためだった。

祖父の死骸のそばで「私が殺した」と繰り返す孫娘(「馬癇」)、急に妻に近づかなくなり、日に日に衰えていく左官職人(「気癪」)、高級料亭で酒宴を催したあと死んだ四人の男(「脾臓虫」)、子を産めなくなる鍼を打たねば死ぬと言われた武家の娘(「鬼胎」)……

「虫のせいですね」
棠庵の「診断」で事態は動き出す。

「前巷説百物語」に登場する本草学者・久瀬棠庵の若き日を切り取る連作奇譚集。

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