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本書では、特異値分解を出発点として、第1章で、本書で必要となる行列代数の知見を記した後、第2章で主成分分析を論じる。因子分析を行列分解による方法と潜在変数に基づく方法に二分して、前者を第3章で、後者を第4章で解説する。そして、第5章で、行列分解による因子分析の解と主成分分析の解を数理的に比較する。因子分析・主成分分析の解の解釈は負荷行列の回転によって促されるが、第6章では、回転の諸方法の定式化とアルゴリズムを論じ、第7章では、多くの負荷量が0になる解を求めるスパース推定を解説し、それと回転との関係を論じる。
本書は、21世紀になってから提案された行列分解による因子分析の解の性質、因子分析の解と主成分分析の解の間に成り立つ不等式、ほとんどの回転法の反復計算に使える点で汎用性のある勾配射影法の詳細、について説明する唯一の和書となる。
主成分分析と因子分析は、ともに、次元縮約という目的で同じデータに適用できるポピュラーな多変量解析法であるが、本書のタイトルが示すように、両者をほぼ対等の割合で扱うことは、本書の特徴である。また、それ自身が単独の多変量解析法と見なせる回転法の数理を詳述し、単純構造の達成という目的を回転と共有するスパース推定を扱うことも本書の特徴である。
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