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神々と天皇、国家と宗教が絡み合う異形の姿。
空前のスケールで歴史の深みへと導く渾身の大作。
大嘗祭は天皇の皇位継承のため一世一度行われる皇室行事である。神秘性を帯びたその儀式は古代から変化せず、天皇の神性と日本の伝統を示すものとされてきた。しかし、実際は何度も大きな変化をこうむり、数百年間の中断さえあった。この儀式が意味するものは何なのか。そして天皇、神道とは…。本書では、『古事記』『日本書紀』、アマテラス、陰陽道、中世神話、異端神道、平田篤胤、折口信夫など、著者のこれまでの研究のすべてを動員し、学問分野を積極的に越境しつつ、大嘗祭の起源から現代までと、それを巡る論争と思想を描き出す。圧倒の1200枚、ここに誕生。
◎目次
はじめに――なぜ本書は書かれたのか
序章 神道・大嘗祭をアップデートする
第Ⅰ部 平成篇
第一章 平成二年、大嘗祭の現場へ
第二章 「お告げ文」の深層へ
コラム1 「剣璽等承継の儀」に秘められていること
第Ⅱ部 古代篇
第一章 大嘗祭の起源神話とは
第二章 律令国家の構造と大嘗祭
第三章 祟りなすアマテラス
第四章 「神宮の祟りは定事なり」
第五章 もうひとつの伊勢神宮起源譚
第六章 平安王朝のアマテラス
第七章 「神道」の成立と苦しむ神
コラム2 『古事記』をどう読むか
第Ⅲ部 中世篇
第一章 伊勢神宮と中世神道
第二章 中世のアマテラスは何を語ったのか
第三章 戦乱のなかの伊勢神宮
第四章 「神道」のニュー・ウェーブ、吉田兼倶
第五章 中世天皇と即位灌頂
コラム3 「伯家神道」という謎
第Ⅳ部 近世篇
第一章 復興した大嘗祭と垂加神道
第二章 光格天皇と本居宣長
第三章 近世の伊勢神宮と神道
第四章 平田篤胤、驚異の神道
コラム4 水戸学派の大嘗祭
第Ⅴ部 近代篇
第一章 維新変革のなかの大嘗祭
第二章 大正デモクラシーと大嘗祭
第三章 昭和三年の大嘗祭と折口
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