フィクションのなかの警察

フィクションのなかの警察

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出版社
笠間書院
著者名
熊木淳
価格
1,980円(本体1,800円+税)
発行年月
2024年8月
判型
四六判
ISBN
9784305710185

事件は「現場」だけで起きてるんじゃない!!



日本の警察小説において、警察という組織の描き方は大きく変化した。

1990年代後半、横山秀夫の出現をさかいに、警察小説は多様化し、様々な警察組織の在り方を描くようになり、それらはドラマやアニメなどにも波及していった。

本書では、横山秀夫の作品を出発点として、警察小説における冤罪というテーマ、2000年代以降出現した公安警察を舞台とした公安小説、そこから派生した監察部門を描いた小説を扱うことで、現代日本の警察小説の全体像を浮かび上がらせる。

●強烈な個性を持つ刑事はなぜ描かれなくなったのか?

●冤罪はなぜ起こるのか?

●公安警察官が組織に歯向かう理由とは?

●組織への帰属意識はどのように生まれるのか?



日本の警察小説において、警察の描かれ方はどう変化してきたのか?

『震度0』『死亡推定時刻』『外事警察』『禁猟区』……多くの作品がドラマ・映画など映像化されてきた警察小説の歴史を紐解く論考。



下記のような方へおすすめ

○警察ドラマや映画、小説などが好き

○警察小説を書いている/書きたい

○文芸批評や表象文化論に興味がある

警察関係者も必読! 警察小説・ドラマ・映画がよりわかり、楽しめる文芸批評!



【目 次】

はじめに

イメージとしての警察/ミステリーの中の警察小説/横山秀夫から始まる警察小説史

第一章 組織と負荷―横山秀夫

官僚組織と個人への負荷/権力闘争―『震度0』と『64(ロクヨン)』/情報の不均衡と不確実性―『臨場』と『陰の季節』/刑事小説の倫理―横山秀夫以降の刑事小説/コラム 警察小説と刑事ドラマ―『西部警察』など

第二章 運命から「あざなえる縄」へ―冤罪小説

冤罪と警察小説/初期「冤罪小説」―松本清張と西村寿行/冤罪を生み出す構造へのまなざし―加賀乙彦『湿原』/「捜査の捜査」の発明―島田荘司『奇想、天を動かす』『涙流れるままに』/「あざなえる縄」としての冤罪―朔立木『死亡推定時刻』/痴漢冤罪―菅野国春『夜の旅人』と福澤徹三『白日の鴉』/冤罪小説から警察小説へ―堂場瞬一『検証捜査』/コラム アニメにおける警察―『PSYCHO-PASS サイコパス』

第三章 刑事小説のオルタナティブ―公安小説

ポスト横山秀夫としての公安小説/公安なき公安小説―佐竹一彦『警視庁公安部』/職人としての公安警察官―麻生幾/二〇一〇年代の展開/刑事小説との融合―今野敏/捜査手法としての刑事と公安―麻見和史『共犯レクイエム』『邪神の天秤』『偽神の審判』

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