「デジタルアーカイブ」をより多くの人に使ってもらえる、よりよいものにしたい――
それを目指した世界中の人々が集まって創られ、広まってきている枠組み、IIIF(トリプルアイエフ : International Image Interoperability Framework)を紹介し、その概要、構築方法、活用例を紹介・解説する初の書。
第1部ではIIIFの概要の紹介、第2部ではIIIFに対応したデジタルアーカイブの構築手法、第3部では、具体的なIIIFの活用例を扱う。加えて、インタビューやいくつかのコラムも掲載。
コンテンツのよりよい在り方やさらなる利活用を考える方に。公共図書館、大学図書館、ほかデジタルアーカイブに関わる方必携の書。
執筆は、大向一輝、永崎研宣、西岡千文、橋本雄太、吉賀夏子、本間淳、鈴木親彦、三原鉄也、高橋洋成。
【IIIFの素晴らしいことの一つは、「自分の(ここでは自組織という意味も含みます)デジタルアーカイブですべてを提供する」必要がなく、むしろ「自分のコンテンツを用いてどこかの誰かがもっとよいサービスを提供することでコンテンツの価値を高めてくれる」仕組みが提供されたということです。これまでであれば、詳細な内容から便利な機能まで、すべてを自分のデジタルアーカイブで提供する必要があり、それ以上のものを提供することは、ほとんどできませんでした。どんなによいコンテンツを持っていても、それにあわせた高度なデジタルアーカイブ構築能力を持ち合わせていなければ宝の持ち腐れになってしまいかねなかった、つまり、自分のコンテンツの可能性がデジタルアーカイブ構築能力によって制約されてしまうという状況だったのです。しかし、IIIFが登場したことで、詳細なメタデータを付与できなくても、高度な技術を駆使できなくても、あるいは、高精度なテキストデータを提供できなくても、ただIIIFに準拠して公開すれば、同じコンテンツに関心を持っているどこかの誰かが独自に詳細なメタデータを付与したり、より高度なコンテンツとして統合・連携させたり、文字起こししたテキストデータとあわせて利便性の高いサイトを提供したりすることが容易に可能となりました。】はじめにより
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