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◆第二句集
枯蓮の水を支へに立ち尽す
ひぐらしの声の汀を歩みゆく
春風や便箋を買ひ花を買ひ
第一句集から16年、その間の作品は素材が広がり、さまざまな叙法が試みられている。多彩な季語の使用にも工夫があり、読み終わった後のすがすがしさが山下さんの俳句の魅
力である。
片山由美子
◆自選十二句
踝のふたつに夏の来たりけり
満天の星に乾かす登山靴
合流を拒む本流男梅雨
足跡のふかぶか残り落し水
露けしや金色堂の覆堂
始まりの波を大きく紙を漉く
おほかたの杭の傾き雪解どき
来し方のとざされてゆく花吹雪
青空の奥処を得たる木守柿
小粒なる秩父の柚子の柚子湯かな
旅鞄にまで飛び来て波の花
かざす手のほかは暮れゐて夕焚火
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