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そもそも古典なるものの意識はどう生まれたのか。
日々揺れ動きながら、過去・伝統を意識しつつ、伝統の枠組みの中で新たに古典学なり、和歌なりを生み出していくダイナミックな人々の行為を、政治変革や戦乱なかから描き出し、日本における古典知や、古典的素養のありかたを考える。
古典と戦争はどのような関係にあるか。「文学」の重みを考え抜き、そのありかたを歴史的展開の中で叙述する。
古典とは何か。国文学とは何か。根源から説き起こす。
【今後、古典が復興することはおそらくないだろうと思われるが、世界情勢の変容に伴う、新たな国学、ナショナリズムの覚醒による全体主義的な復興ではなく、自己のアイデンティティとは何かという真摯な疑問によって、加えて、現在を相対化するためのツールとして、古典が復興することを今は祈りたい。古典をもつ国・共同体に生まれた人間としては、古典から逃れることなどできないのである。ならば、堂々と古典の中に飛び込もうではないか。それが根無し草にならない唯一の方法であるからである。】……「エピローグ」より
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