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元素、大気、大地、菌類から人間までをも貫く哲学は可能か
惑星規模の気候変動と資本主義の加速によって人間と環境の関係が揺らいでいる。地球が沸騰するいま、哲学は何を思考し、どう変わりえるのか。ドゥルーズ、ガタリをはじめ、ラトゥール、スローターダイク、コッチャ、パース、リュイエル、マルディネ、ライプニッツ、ベルクソン、デリダ、ガブリエル、グラント、シェリング、西田、坂部など多様な理論を手掛かりにした気鋭たちによる熱気みなぎる挑戦。
「地球がグツグツと音を立てて煮詰まりつつある。科学者たちが予想する気候変動の「ティッピングポイント」の侵犯は、日ごとに現実化していく。その一方で、そのような気候変動を牽引していると考えられるグランド・アクセラレーションと呼ばれる諸現象は、いまだおさまるところをしらない。人間のさまざまな行為の及ぼす影響が、人間の行為を可能にする環境それ自体を不可逆的に変化させつつある。」(序論より)
◎目次
序論 いま、新たな自然哲学が必要であることについて……近藤和敬
第Ⅰ部
地球は破壊されなければならない――ブルーノ・ラトゥールのANTと新気候体制論……久保明教
山の時間、社会体のリズム――身体性と時間性をめぐる人類学的考察……山崎吾郎
大気の自然哲学試論――スローターダイク・コッチャ・ラトゥール……古村信明
進化における成長の原理としてのアガペー ――パースにおける愛と境界の変革……佐古仁志
コラム1 歌を歌うとき――ドゥルーズ〓ガタリのスピノザ的自然について……平田公威
コラム2 ドラマ化の方法――初期ドゥルーズの自然哲学と実存……得能想平
第Ⅱ部
超越論的経験論から自然哲学へ――ドゥルーズ哲学の終着としての形而上学的コスモロジー……小林卓也
ガタリの〈artificeの哲学〉における「素材」について――自然と機械の差異の向こう側を語る試みとして……山森裕毅
自分で自分を形づくる二つの形――ドゥルーズ、リュイエル、マルディネ……小倉拓也
コラム3 脱構築と自然の鏡――ポスト脱構築的自然史の構想……小川歩人
コラム4 石積みの実在を直観する――日本哲学から二一世紀の自然哲学へ……織田和明
第Ⅲ部
ライプニッツのモナド論と現実の捩れた構造――自然哲学試論……ジミー・エイムズ
光明のバロック――「日本哲学」における現前と自然……水橋雄介
宇宙からの眺め、炭素からの解放――ベルクソンの複数世界論と代替生化学……米田翼
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