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冬が近づき、木挽町の芝居茶屋かささぎでも、ふうふう言いながら食べる豆腐や里芋の田楽などをはじめ、体の温まる料理が人気だ。
そんなある日、店に金持ち風の男が現れた。
男は日本橋で本屋を営む萬屋清兵衛と名乗り、山村座の座元兼役者の四代目長太夫の贔屓筋だと言う。
見た目と裏腹に質素な品を頼んだ清兵衛は帰り際、かささぎの商売敵・巴屋の話をして去っていく。
同じ頃、消息を絶った弟を捜しに来たという女客とその息子の二人連れに協力することになった喜八たち。
そこには鬼勘も絡んできて──。
失踪の謎、絡み合う因縁、元かささぎ組の絆……シリーズ完結篇!
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