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許されない恋を描く平安ラブロマン!
「――俺はそなたに、恋をしたんだ」
鬼を呼ぶ姫と呼ばれて恐れられ、家族が暮らす屋敷を追い出されるようにして、寂れた白河の別邸に移り住んだ詞子。歌も詠めない粗野な無骨者と言われ、出世の道も閉ざされたと噂される無位無官の公達、雅遠。居場所を見つけられなかった二人は、満開の桜の下で出会い、お互いを知ることでゆっくりと惹かれ合っていく。
逢いたい、好きだ、と真っ直ぐに詞子を見つめ、口にする雅遠だが、自分と関われば災いが降りかかるかもしれないと恐れる詞子は、同じ言葉を雅遠に返すことができない。しかも詞子の父は右大臣派で、雅遠の父は右大臣の政敵である左大臣。家柄を考えても、決して許されるはずのない想いだった。
ある日、雅遠の住む左大臣邸に盗賊が押し入り、雅遠が事件に巻き込まれてしまう。詞子は、ついに災いが雅遠を襲ったと思い、絶望のあまり気を失ってしまうが――。
平安貴族の切ない恋を描く『桜嵐恋絵巻』シリーズ第二弾! 書き下ろし「夏の夜の雨」収録。
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