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リスト、パガニーニに支援され、シューマン、ショパンの支持を受け、ワーグナーに比肩しながら母国での活動に苦闘したフランス・ロマン主義の風雲児。
書簡や自伝、主要作品の分析、錯綜する人間関係を通して多感な鬼才の人間像を剔出。
今回のベルリオーズはこれまでの三作のように一つの論点を設け、それを展開して結論に至る方式ではなく、むしろベルリオーズの人間性に焦点を当て、多方面からの視点を加えて、その立体像を浮かび上がらせることを心掛けた。彼の音楽作品については、その全体像を見るのではなく、あくまで「ドラマと音楽」という観点から、三作品のみに留めた。主に残された書簡や自伝から構成し、ベルリオーズ、そして彼を取り巻くワーグナーやリスト等の声が直接響き、こだまする作品にしたいと考えた。(「終わりに」より)
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