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古文書・古典籍・絵画など、日本には「紙」の文化財が数多く残されている。
これらの料紙には、どのような材料が使用され、どのような漉き方、加工が施されたのか。
また、色や大きさを選定する背景には、どのような価値観があったのか―。
紙はその当時の人びとの心性や文化体系をいまに伝える貴重な史料である。
それらの文化財を守り、伝えていくためには、基盤となる紙の調査・分析を欠くことができない。
40数年に及び、先駆的に紙の文化財の調査・科学的分析に関わり、料紙の材料や構造、製法の研究において、数多くの実績を残し、修理用紙の作成、料紙の復元などにも尽力してきた著者の知見を初めて集成。
現在、大きな展開を見せている「紙」の研究の基盤と歩みを提示する画期的な一冊。
図版掲載点数250点超。
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