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本書は、「荒れ」や不登校でしか自分の傷つきや生きづらさを表出できない子どもたちと、それにどう対応すべきか悩む教育現場の実践事例を丹野氏が整理して紹介し、楠氏が各事例の解説と理論編を執筆しました。
実践事例では、小学校の事例のみだった前著『感情コントロールに苦しむ子ども 理解と対応』から年齢層を広げ、幼児期から中学校まで13の事例を取り上げています。
解説では、発達論、アタッチメント理論、発達障害、さらには「逆境的小児期体験」(ACE)などの様々な学術的な知見を参照しつつ、理解と援助の課題を提起しました。また、子どもや保護者に関わる教育者自身が抱える「未解決の葛藤」の問題についても事例に則して分析しています。
理論編では、「荒れ」の背景にある要因を、①発達論的な視点、②逆境的小児期体験の視点、③発達障害・知的障害の視点、の3つの観点から整理しました。
特に、発達論的な視点からは就学前後の時期、9・10歳の発達の節目、思春期の3つの時期に焦点を当て、問題行動を発達要求として捉えることで、「力で抑え込む」のではなく「問題行動が必要でなくなる」教育実践のあり方を提案しています。また、逆境的小児期体験についても詳述し、虐待や家庭環境の問題が子どもの心に与える影響を解説しています。発達障害や知的障害の子どもたちがトラウマを受けやすいことも指摘し、トラウマインフォームドケアの重要性が強調されています。
本書は、「荒れる」子どもたちに対して、理解を深め、安心感を提供することの重要性を説いています。教師たちが子どもをコントロールする指導スタイルから脱却し、子どもの視点に立って考えることが、教育実践を改善する鍵であると強調しています。子どもの言動には必ず理由があり、その理由を理解することで、教育現場における余裕と実践の豊かさが生まれることが示されています。
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