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名門貴族の令嬢ルクレツィアは皇太子との定められた結婚のため、幼少から徹底した王妃教育を受けてきた。しかし夫シメオンは平凡な容姿の彼女に指一本触れず、国王に即位すると自身が寵愛する下働きの娘マリーを側室に迎える。やがてマリーが懐妊すると、ただ王妃になり世継ぎを産むためだけに生きてきたルクレツィアは王宮での居場所も、生きる意味をも失ってしまう。そんななか、突如として隣国の侵攻を受けた王国は敢えなく陥落。シメオンは愛するマリーと息子を道連れに自害した。ひとり残されたルクレツィアは、国母たる王妃として最後の責務を果たそうとするのだが……。デビュー作にしてコバルト文庫の名作、待望の復刊新装版!
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