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新たな紛争理論の提示
ジョゼフ・コンラッドの小説『闇の奥』(一八九九年発表、一九〇二年刊)の舞台となった現コンゴ民主共和国は、一八八五年にベルギーの国王レオポルト二世の私有地とされ、一九〇八年に植民地ベルギー領コンゴとなり、一九六〇年に「コンゴ共和国」として独立を果たした。
その後、「コンゴ動乱」を経て誕生したモブツ政権のもとで独裁体制が築かれたが、その後、モブツ体制は打倒された。 コンゴでは一九九六年以来紛争状態が続いており、膨大な数の犠牲者、避難民そして人権侵害を生み続けている。出口の見えない紛争が続いているにもかかわらず、その実態が報道されることはまれである。
本書は、この地域の状況を長く現地で観察してきた著者が、コンゴ東部紛争の展開を整理し、その理論的含意を検討したものである。
その人的被害の深刻さはもとより、百を超える武装勢力や紛争鉱物の存在など、コンゴ東部紛争は「新しい戦争」の特徴を数多く備えており、くわえて国連平和維持部隊が長年活動を継続している。 紛争のダイナミクスをもとに交戦当事者の利益と社会構造に着目した新たな紛争理論の提示!
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