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新しい生活が始まった。
熊本―東京を行き来するあたしを待つのは、
愛犬(三歳)、植物(八十鉢)、学生たち(数百人)。
ハマる事象、加齢の実状、
一人の寂しさ、そして、自由。
老いの体感をリアルに刻む最新エッセイ。
熱く共感を集めて大好評の
『閉経記』『たそがれてゆく子さん』に続く
〈伊藤比呂美の今〉
週一で早稲田に通勤 こんやくにハマる 熱中症になりかける 鉢植えをどんどん買う 靴が合わない ズンバに行かない 父の寂しさを思う 食べるのがめんどくさい 入浴剤に凝る サンディエゴに帰る オヤジたちに絶望する 『ボヘミアン・ラプソディ』礼讃 高齢者の運転を考える しょうゆ味に回帰 仔猫を拾う LINVEがおもしろすぎる 甘くない食パンが食べたい 姿勢が悪い 不安がひたひたと沁みてくる ロボット掃除機を購入 友人にマスクを送る 空港への道を忘れた 車を買う びんのふたが開けられない 学生とオンライン飲み会 母のコートを着る 譲渡犬のサイトを見る…………本書のエピソードより
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