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〈紫式部は色に何を託したのだろう?〉
●最愛の女、紫の上は赤紫と紅。
●ひと夏の恋の相手、夕顔はラベンダー色。
●よき相談相手、花散里は露草の青。
●出家をした藤壺、空?は墨のようなグレーの鈍色(にびいろ)。
稀代の色彩コンダクター・紫式部が『源氏物語』に織り込んだ「色の謎」を読み解く!
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〈「紫のゆかりの物語」は色の玉手箱〉
萌黄色(もえぎいろ)、桜色、茜色(あかねいろ)、菫色(すみれいろ)、桔梗色(ききょういろ)……。
平安時代、貴族たちは衣装を自生の植物で染め上げ、それらをいくえにも重ねて身に纏っていた。
その色のコーディネートは「重ね色目」と呼ばれ、桜重ね、紅梅重ね、柳重ね、?の羽重ね、紅葉重ね、雪の下重ね……四季折々の美しさに富んだ名を持つ。
それらを今に伝えるのが「源氏物語」だ。
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〈『源氏物語』はビジュアル小説〉
物語は、登場人物たちのきらびやかな衣装、交わされる文、華やかな年中行事など、色彩に溢れている。
女房として宮廷に仕えた紫式部は、確かな観察眼と天才的な色彩感覚で、それらの色に女性たちの喜びや悲しみ、嫉妬、生きづらさを託している。
本書は、紫式部が物語に織り込んだ色を、色彩学や心理学の観点から読み解き、1000年前の女性たちの実像に迫る。
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