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デンマークの「国父」ともいわれる思想家・グルントヴィのテクストを和訳し、現代に生きるグルントヴィ哲学を再構成する。シリーズ第4弾。 本書『学芸』に訳出したテクストはすべて、著者グルントヴィが30歳代に公表したものであり、彼の同時代を席巻した哲学への批判にかかわる。「学芸」の基本的性格は永遠と歴史との相互連関性であり、本書はその原理論ともいえる諸論考を選び、当時隆盛を極めた体系哲学に対峙する仕方で展開される「学芸」の輪郭をとらえられるようにした。この時期のグルントヴィの議論は理性的啓蒙主義やロマン主義から離れ、ルター派プロテスタンティズムへと接近するなかで宗教復興の強い調子を帯びるが、それは彼の後の宗教批判や教育、社会、政治的諸言説を理解する上で不可欠の基礎となる。ここから読者は現代人が「学習福祉」、「学習経済」、「社会投資型福祉国家」などと呼ぶような、人間形成を最重視して展開される現代デンマーク(共同)社会の秘密を探ることができるだろう。
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