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江戸時代後期から明治にかけて、仏教僧・普門円通によって体系化された「梵暦」と呼ばれる仏教天文学。千人を超える門弟たちは、彼を「開祖」とし、「梵暦社」と呼ばれるネットワークを作り、各地で活発な活動を行った。それほど大きな思想活動が、忘れ去られてしまったのはなぜか。
仏典中の天文説とその背景となる「須弥界」という円盤状の世界像を、近代の自然科学と同じレベルで体系化し、その実用性を実証しようとした円通の仏教天文学と門弟たちの活動を、「何が」語られているかではなく「どのように」語られているかの視点から新たな光をあてる意欲作。
■目次■
序章 普門円通と「仏教天文学」
第一章 震撼する世界――一九世紀の日本における世界記述をめぐる言説
第二章 「起源/本質」の探究と普遍主義のディスクール――普門円通『仏国暦象編』を読む
第三章 創られた伝統としての「須弥界」――近代的世界記述と「仏教」
第四章 忘れられた「仏教天文学」――梵暦運動と「近代」
第五章 須弥山の行方――近代仏教の言説空間
終章 近代日本思想史と梵暦運動――近代的自然観と宗教言説
あとがき
現代版梵暦蒐書目録/引用・参考文献一覧/文庫版あとがき
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