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時代の大きなうねりに翻弄されながらも沖縄と日系人の地位向上に尽くした、比嘉太郎の生涯。
「講談社ノンフィクション賞」受賞作家の最新作!
「ぼくは世のために尽くす人になる」
比嘉トーマス太郎(ひが・とーます・たろう)1916年生まれ。日系ハワイ移民二世。貧困と人種差別にめげず、持ち前の向学心によりオアフ島で水力電気を発明。22歳で早稲田大学に留学するも、日米開戦が間近になり帰国。米国での徴兵、日系部隊100大隊編入、イタリア戦線で重傷を負い除隊。その後沖縄戦に志願。洞窟に潜む住民に投降を呼びかけ多くの命を救う。
「わたしは中城村(なかぐすくそん)の出身です。信じて出てきてください」
戦後、沖縄の惨状を世界に訴え救援活動に奔走。医薬品、ミシン、ノート、鉛筆、衣類、など様々な物資と550頭の豚を沖縄に届けることに繋がり、疲弊した島民の生活や食料事情の改善に貢献した。また粘り強い運動により念願の移民法が改正。移民の米国籍取得の道を開く。そして制作に4年を費やしたドキュメンタリー映画「ハワイに生きる」が完成。
「沖縄人とは何か?比嘉太郎のような人だ」大田昌秀・沖縄県知事(当時)
「帰化権運動を先頭に立って開始し、それを移民たちに感謝されたとき長い苦闘が一度に報われた気がしました」
1985年、一つの偉大な人生が終わり、その祝福の鐘が鳴る。
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