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明治を遡る事15年、黒船が来航。泰平の世に衝撃が走った。開国を巡る騒動の中修好条約が締結され、条約に基づき長崎、横浜、箱館が開港。長崎、横浜に外国人居留地がつくられた。
写真の歩みは居留地の歴史とともにあった。開港場では商取引が始まり、日本の情報が求められる中、開港間もない日本の風景が海外の報道機関に提供され、開港地で住民や渡航者向けに販売された。そのため、幸か不幸か、多くが開港地から国外へと流れた。それは失われた日本を映す時代鏡であった。世界は戦争の世紀を迎えており、写真たちは時代を生き抜きここに再び海を渡った。
明治の空の下、江戸は葬り去られようとしていた。近代日本の黎明を告げる明治がそこにあった。侍屋敷が取り壊され省庁の建物に入れ替わった。散髪脱刀令が布告された。郵便制度の開始、鉄道の開通と続くが、時代がつく話は枚挙にいとまがない。江戸の風が流れる中、新しい時代の風は吹いた。時代鏡には人々の凛とした暮らしぶりが際立ち、かつての表情豊かな日本人の顔が映っていた。
鶏卵紙から立ちのぼる時代の空気はやわらかで、8×10の幅広い階調から立ちあがる景色は味わい豊かであった。明治も半ばが過ぎて、海外向けの大判写真は存亡の憂き目にあう。江戸の風はそんな中で消えかけていた。明治後期にいたって、そこには“現代(いま)の風”が吹く。
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