泉鏡花きのこ文学集成

泉鏡花きのこ文学集成

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出版社
作品社
著者名
泉鏡花
価格
2,970円(本体2,700円+税)
発行年月
2024年6月
判型
四六判
ISBN
9784867930328

「牛肉のひれや、人間の娘より、柔々(やわやわ)として膏(あぶら)が滴る……甘味(うまい)ぞのッ」



“世界に冠たる「きのこ文学」作家”泉鏡花の8作品を集成!

『原色日本菌類図鑑』より、190種以上のきのこ図版を収録!

その魅力を説く「編者解説 きのこ文学者としての泉鏡花」付!





 お姫様は茸(きのこ)だものをや。

 紅茸と言うだあね、薄紅(うすあこ)うて、白うて、美い綺麗な婦人(おんな)よ。

 山路はぞろぞろと皆、お祭礼(まつり)の茸だね。坊様も尼様も交ってよ、尼は大勢、びしょびしょびしょびしょと湿った処(ところ)を、坊主様(ぼんさま)は、すたすたすたすた乾いた土を行く。湿地茸(しめじたけ)、木茸(きくらげ)、針茸、革茸(こうたけ)、羊肚茸(いぐち)、白茸、やあ、一杯だ一杯だ。

 初茸なんか、親孝行で、夜遊びはいたしません、指を啣(くわ)えて居るだよ。……さあ、お姫様の踊がはじまる。(「茸の舞姫」より)

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