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"公教育における人種統合の「光と影」を活写した名著!
???????1954年のいわゆる「ブラウン」判決によって、アメリカ南部では、それぞれ問題を抱えながらも人種統合が進められていた。南部の都市を舞台にした1960年代初頭から中葉の公民権運動はよく知られているものの、それ以外の地域での人種政策の状況はあまり知られていないことが多い。本書は、これまで注目されることのなかった、1960年代末のノースキャロライナ州ハイド郡の公立学校の教育行政における一方的な人種統合政策に対しての黒人住民による通学拒否運動などの経緯を詳細にたどり、人口が極めて少なく最も僻地とされたハイド郡での運動が、最も人種間の平等を実現する強固な抗議活動となり、全国的に注目されることとなった、その全貌を描き出すものである。
この時期、南部諸州の政治家、多くの白人教会、白人大衆が人種統合を迫る連邦政府の圧力に反発する一方で、白人優位の考えを基調として、従来の「白人学校」に黒人生徒を入学させるという「人種統合」が実施されたために、「黒人学校」が廃校になるケースが増え出していた。ノースキャロライナ州でも黒人校長の大半が職を奪われ、小学校で校長職にあった黒人は、1963年から1970年にかけて620人から170人に激減、一般の黒人教員数も激減した。
本書は、南部各地の教育現場が人種統合によって白人優位の大波を受けている時期に、黒人学校の閉鎖および黒人教員解雇問題、さらには学校の発展と共に何世代にもわたって築き上げてきた自分たちの文化が失われる不運を見過ごさなかった黒人住民たちの動きに注目する。ノースキャロライナ州ハイド郡では1968 年から1969 年にかけて、一方的な人種統合計画に挑戦するべく、黒人住民による通学拒否運動が展開されていた。
この、最も僻地とされ、人口の極めて少ない土地ハイド郡で起きていた運動が、人種間の平等を実現する最も強固な抗議活動の一つとして最大の成功をもたらすことで、全国的に注目されることとなったのだ。本書は、アメリカ社会で人種問題が複雑化する昨今の実態、さらには世界で起きている様々な痛ましい状況についてもわたしたちが改めて考える糸口を与えてくれるだろう。
原書名 Along Freedom Road: Hyde County,North Carolina,and the Fate of Black Schools in the South."
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