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◆第六句集
武蔵野のすつ飛び雲や唐辛子
われわれの「鶴」誌は今年八月に創刊九五〇号を迎る。顧みて自分は石田波郷、石塚友二、星野麥丘人に見えて句作精進を重ねてきた。こんな幸せはない。才は三師に及ぶべくもないが、これからも自分なりに句作の道を励んでまいりたい。(著者)
◆自選十五句
初山のこゑのひよどり矢継早
芹の香や日々のあかしの友二の句
旅にして青葉の雨やブックカフェ
手の窪にのせて糸底涼新た
一茶忌の草鞋日和と言ひつべし
筆に腰さうめんに腰秋はじめ
柿むいて柿の日などもありてよし
日脚伸ぶ駅の広場にケーナの音
田螺鳴く利息が二円付いてをり
一の字に反りて鰰焼かれけり
武蔵野のすつ飛び雲や唐辛子
膝打つてさて策もなし秋扇
夫婦して訪ふ泉あり風鶴忌
七十も終りの九の初景色
観音の湖北へこころ草の花
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