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鶴叢書

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出版社
ふらんす堂
著者名
鈴木しげを
価格
3,080円(本体2,800円+税)
発行年月
2024年5月
判型
四六判
ISBN
9784781416496

◆第六句集



武蔵野のすつ飛び雲や唐辛子



われわれの「鶴」誌は今年八月に創刊九五〇号を迎る。顧みて自分は石田波郷、石塚友二、星野麥丘人に見えて句作精進を重ねてきた。こんな幸せはない。才は三師に及ぶべくもないが、これからも自分なりに句作の道を励んでまいりたい。(著者)





◆自選十五句

初山のこゑのひよどり矢継早

芹の香や日々のあかしの友二の句

旅にして青葉の雨やブックカフェ

手の窪にのせて糸底涼新た

一茶忌の草鞋日和と言ひつべし

筆に腰さうめんに腰秋はじめ

柿むいて柿の日などもありてよし

日脚伸ぶ駅の広場にケーナの音

田螺鳴く利息が二円付いてをり

一の字に反りて鰰焼かれけり

武蔵野のすつ飛び雲や唐辛子

膝打つてさて策もなし秋扇

夫婦して訪ふ泉あり風鶴忌

七十も終りの九の初景色

観音の湖北へこころ草の花

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