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「葬儀は不要」「葬儀代は不明瞭かつ高すぎる」などと、葬儀については、これまでさまざまな議論や批判がなされてきた。一方で社交や義理の場として期待されていた時代もあった。そして現在、「終活」が当たり前となっており、生前に葬儀を計画する人が増加傾向にある。そして家族の多様化や価値観の変化などにより、「おひとりさま葬儀」といった新しい葬儀のかたちも出始めている。社会や経済の変化を受けつつも、独自の発展や変化を遂げてきた葬儀業界の変遷といまをわかりやすくまとめた一冊。
――葬儀については、これまでさまざまな議論や批判がなされてきました。たとえば、「葬儀は不要」、「葬儀代が高額である」などです。では、なぜ、儀礼に対して極端な議論――「儀礼は必要、不要」――が起きてしまうのでしょうか。このことを考えるうえで、死の儀礼に携わる葬儀業界を考えるということは、避けることはできないと思っています。一方で、この業界について何らかの意見をまとめたとしても、儀礼の必要、不要の議論に決着がつくわけではありません。それでも、本書を読むことによって死の儀礼における社会のあり方を考える一助になれば、と願っています。――(本書はじめにより一部抜粋、一部編集)
目次
はじめに──「死の儀礼」を考えるということ
第1章 新型コロナウイルス禍でみえた?本音?
第2章 死から火葬まで── 一般葬の流儀
第3章 人と社会の変化を映す葬儀業界
第4章 葬儀業界の現在地
事例 日本の葬儀の現場から
[事例1] 死のコンシェルジュ――「if共済会」と「事前相談員資格制度」
[事例2] 「お葬式組合」を通じた協同体──静岡県湖西市新居町での取り組み
[事例3] 日本のプロテスタント教会における「死」と「葬儀」
おわりに──誰かに託す、そんな葬儀でもいい
著者紹介
玉川貴子
たまがわ・たかこ
1971年生まれ。名古屋学院大学現代社会学部准教授。専修大学大学院文学研究科社会学専攻博士課程修了。2016年より現職。専門は死の社会学、家族社会学。単著に『葬儀業界の戦後史――葬祭事業から見える死のリアリティ』(青弓社)共著に『いのちとライフコースの社会学』(弘文堂)、『喪失と生存の社会学――大震災のライフ・ヒストリー』(有信堂高文社)『サバイバーの社会学――喪のある景色を読み解く』(ミネルヴァ書房)など。
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