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新型コロナ禍で蟄居した主婦のこころに去来した数々のつぶやき!
???????エドウィン・ミュア『スコットランド紀行』が脳裡に浮かぶ。ミュアは世界ペン大会の要請でスコットランドのオークニーまで車で走り、実際に目で見て考えたことを辛口に記した。産業革命後の社会や世相、かつて栄えた都市に散らばるスラム。職を失いわずかな手当で暮らす人びと。詩人のミュアを知り、すぐ西脇順三郎編『英米語集』を開き、「夢と物」を興味深く読んだ。白百合学園時代、九段下を都電で通ると、いつも目に入った蔦に覆われた小さなビルと木造の優勝カップを売る店。ほぼ隣り合う場景は2023年の「お告げ」だったのかもしれない。高校の夏休みの宿題、新聞の切りぬきを作るにあたって、ハンガリー動乱が生々しい夏にあった日本における始めてのペン大会をテーマに選んだことで、どれほどのものを手に入れたのか。小学校で教えられた「ルルドのお告げ」(1858年2月11日、少女のまえに出現した聖母マリア)は世界中の注目を浴びた。このたびの「お告げ」は、言葉にしきれなくても、きっと新しい動きが当世をゆるがすにちがいない。その頃、ソ連に招かれ長期間東欧を見聞した作家、ガルシア・マルケス、安部公房、草野心平の著作を図書館で読み、じつにありありと「現在」を知ることができた。すぐれた「著作」とはこういうものかと受けとめた。認知症にある夫、娘、そして友人たち。読書を通じて出合った多くの本。著者による「失われた時を求めて」となる、日々の暮らしのなかで生じる様々な「出来事」を思いつくままに記すエセー。
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