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ぜんやに転がりこんできたお転婆姫──只次郎の姪のお栄は大奥に仕えていたのだが、将軍からお手つきとなるのを嫌い、暇を貰って只次郎の許へと逃げていた。
家に戻ってもどこぞの武家に嫁がされるに決まっている、と町人となって己の才覚で生きていくことを望むが……。
熊吉は熊吉で世話焼きの血が祟り、お花はそれにもやきもき。
ままならぬ江戸の世を、若者たちがもがきます。
独活の穂先と人参のかき揚げ、桃の節句の手鞠寿司、楊梅の金玉羹、露草で青く染めた砂糖。
料理が気持ちを彩る、傑作時代小説第六弾!
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