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てのひらを差し出し
雨が止んでゐると知るやうに知る
すべもあらなく (間野 菜々江)
短歌とそれに呼応してささやきかけるように綴られたエッセイ。はかなく、強く。
そして私もしっかり生きていこうと思う一冊。
『てのひらを差し出す』は乙女のようだった女性が、乙女の心を失うことなく真剣に日々を重ねかさねて自己を確立してゆくまでのノンフィクションのドラマだ。
だれしも四十歳あたりから人生は佳境となる。菜々江さんにもお仕事の独立と展開、販路の拡大。ご両親の介護、お母様のご逝去。さまざまな喜びがある反面、悲鳴をあげたり、ひそかに地団駄を踏みたくなるような日も少なからずあったのではなかろうか。
(『てのひらを差し出す』によせて 野上洋子 より)
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