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1948年のイスラエル建国以来、イスラエルとパレスチナの間には紛争が絶えない。一方で90年代初頭から両者は二国家解決を目指してなんども和平交渉を試み、失敗をくり返してきた。しかしその交渉は2014年4月を最後に途絶える。以来、国際社会はこの問題への関心を急速に失い、イスラエルとアラブ諸国の接近はパレスチナを置き去りにするかに見えた。この状況は2023年10月7日、ハマスによるイスラエルへの大規模攻撃で一変した。
イスラエルとパレスチナの歴史を振り返れば、暴力は問題を少しも解決しなかった。和平交渉も膠着を打開できなかった点では同じだ。しかし、お互いが聖地とする限られた土地に隣人として生きるイスラエルとパレスチナには、武力による決着ではなく、なんらかの共生しか道はない。
本書はイスラエルとパレスチナの和平交渉について、その30年にわたる経過を客観的かつ丹念に跡づける。和平を目指して無数の文書や合意が交わされながら、それはいつも類似のパターンで潰えてきた。それはなぜなのか? 交渉の機微を読むことは、この問題を理解することに他ならない。それは解決への道筋を考える上で欠かせないプロセスとなるだろう。
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