19世紀、清朝末期のエリート階層である士大夫家庭の「才女」たちの物語。科挙を目指して学問に励んだり、官僚として地方に赴任したり、仕事を求めて各地を旅したりする男性たちを、母として、妻として、きょうだいとして、才女はどのように支えたのか。著者は、史料の奥からかすかに聞こえる女性の声を丹念にひろい、場面(シーン)として再構築することで、才女の暮らしをあざやかによみがえらせた。
十九世紀、中国江南・常州。経済も文化も豊かな地方で、女性たちは一家を支えることを期待され、婦人部屋と台所に追いやられていた。だが彼女らは旧弊な学問と体制に縛られた男どもをしりめに、自分の言葉を持ち表現を磨き上げてゆく。やがて時代の激変の中で忘れられていった女たちの姿――そう、これは清朝末期の『若草物語』なのである。(芦辺拓)
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