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"女傑、美女、慈母としての伝統的神話を解体する、ポスト英雄時代の新たな一代記
死後、何世代にもわたって美化され、偶像化されたマリア=テレジアの生涯を膨大な史料に基づいて再構築し、ヨーロッパ近代史の中に再び位置づける。
「いわく、マリア=テレジアは、劣勢を覆し、力に対して権利を守護する女傑である。曲がりなりにも神聖ローマ皇帝たる夫君を押しのけた《オーストリアの女帝》である。貴族が牛耳る宮廷と堅苦しい儀式に終止符を打つ誠実な市民のごとき女帝である。特権と恩顧を排した近代官僚行政国家の毅然とした創始者である。我が子のごとく臣民を愛で、臣民からも愛され、最下層民に対しても胸襟を開く情け深き君主である――ありていに言えば、本書はかかるステレオタイプを撃破しなければならない。」
(「第1章 プロローグ」より)
原書:Barbara Stollberg-Rilinger, Maria Theresia. Die Kaiserin in ihrer Zeit. Eine Biographie, M?nchen: C. H. Beck, 2019.?
◎上巻目次
第1章 プロローグ
記念碑的歴史/男たちの妄想/例外的な普通
第2章 跡継ぎ娘
祭儀と聖遺物/ヨーロッパ劇場/舞台の裏と表/宮廷の教育課程/王朝間の駆け引き/
華燭の典/宮廷というコスモス/寵愛の論理/寵愛の取り次ぎ役/幸薄き夫君
第3章 オーストリア継承戦争
代替わり/ハンガリー人の忠と不忠/裸の女王様/宮廷での戦争/戦場での戦争/
パンドゥーレンテレースル
第4章 皇后、皇帝、そして帝国
皇帝戴冠/神聖ローマ皇帝フランツ一世/帝国政治/忠実なる支持者
第5章 諸改革
機械としての国家/古き慣習/新たなシステム/「あの頃の私はもういないのです」/
失寵と得寵と/もう一つの新システム/改革のバランス
第6章 身体政治
美しさ/愛と自由/貞操観念キャンペーン/噂/臣民の規律化/出産
第7章 精緻な区別
お目見え/宮中の下々/精緻な区別/御意見番/宮廷の時間割/カリスマを磨く/
厳粛と喜遊/円卓の騎士
第8章 七年戦争
復讐/七年戦争/帝国戦争――宗教戦争/メディア戦争――
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