沖縄の地域の言葉(シマクトゥバ)を守り伝える活動を行なっている沖縄県文化協会の編著でまとめたシマクトゥバ単語集。「あれっ、沖縄の言葉で何て言うんだろう?」そんな時共通語からひけるのでとっても便利。たとえば「ヤギ」のことは 「フィージャー」あるいは「ヒージャー」と言う。本書は沖縄本島中南部、特に那覇と首里の言葉が中心となっているが、それでも発音の違いや言葉の違いがあり、一つの単語に複数のシマクトゥバを記載しているものもある。シマクトゥバの表記には沖縄県文化観光スポーツ部のもとに設置された「しまくとぅば正書法検討委員会」が定めたカタカナによる表記法を用いた。
はじめに
沖縄県文化協会は平成6年に設立されました。その翌年には、地域毎の言葉の違いを楽しみ、その違いを認めつつ再評価する催し「しまぬくとぅばさーに語やびら大会」を開催し、第11回大会からは「しまくとぅば語やびら大会」と改名して、30年近く継続し毎年好評を博してきました。
最近では、県内各地の市町村文化協会の方々の熱心な取り組みとも相まって、28ある市町村文化協会の全てでしまくとぅばの普及・継承に向けた取り組みをしており、その他の市町村でも行政などが故郷の言葉の大切さを、地域の方々に伝え子どもたちに継承するために、多彩な取り組みをしています。
また、沖縄県文化協会は、平成29年から「しまくとぅば普及センター運営事業」を沖縄県から受託し、当協会が築いてきた県内に広がるネットワークを活かして、県と共にしまくとぅばの普及・継承のために取り組んできました。
今後とも、私たちは沖縄の文化の基層である「しまくとぅば」を大切に受け継ぎ、「字」ごとに変わると言われている違いも、それぞれの個性として捉え、楽しみながら展開し、その魅力を発信していきたいと考えています。
これらのしまくとぅばを守り伝える活動を通じて、沖縄らしさが守られ、ひいてはウチナーンチュのアイデンティティの形成にも寄与すると確信しております。この本が、しまくとぅばの大切さを理解し、それを使いたいと思う人たちの役に立てれば幸いに存じます。しまくとぅばを使う人が少しずつでも増えていく事を願ってやみません。
最後に、しまくとぅば普及センター立ち上げからご協力頂き、特に検定や講師養成講座をはじめ、印刷物の作成にご尽力頂いた、波照間永吉先生、西岡敏先生、中本謙先生、大城朋子先生、高良則子先生、他多くの先生方にも、紙面を借りて深く感謝申し上げます。
沖縄県文化協会 会長 與那嶺 紘也
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