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哲学を軽蔑することこそ真に哲学することである
フランス17世紀の思想家ブレーズ・パスカルは、その39年の短い人生で、天才的な数学者、物理学者として数えきれないほどの業績を残したが、彼の最大の遺産といえば、人間と信仰についての思索の書、この『パンセ』にちがいないだろう。
もともと「キリスト教護教論」として執筆された断章形式の草稿は、未完・未刊の雑多な大小のテキストとして残され、パスカルの死後、遺族や研究者の手によってさまざまな編集で出版されてきた。つまり唯一の決定的な形が存在しない、特異な書物なのである。
そのなかでも哲学者レオン・ブランシュヴィック(1869-1944)により主題別に大胆に整理・配列された版は、世界的に親しまれ、『パンセ』の読者を広げることに大いに貢献した。その後、より精緻な研究を反映したラフュマ版、セリエ版などが登場した現在も、ブランシュヴィック版はパスカルの思想や言葉を真っ直ぐに読者に伝える「普及版」として、根強い人気を誇っている。これを底本とした由木訳は、日本で最初の全訳であるとともに、名訳としても知られる。底本、翻訳ともに圧倒的に親しみやすい『パンセ』の、待望の復刊。
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