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預言者ムハンマドの父方のいとこ、「育ての子」にして娘婿。草創期のムスリム共同体でのアリーの実際のキャリアは、この華々しい出自に反して決して順風満帆なものとはならなかった。しかし彼は死後に見事に巻き返す。後世のさまざまな語りのなかで「伝説」と化した「神の獅子」の姿を通じて、イスラーム教の宗派的・歴史的多様性や歴史観、また歴史のなかで形成される集合的な記憶やイメージというものの性質や力を考えてみよう。
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〈目次〉
アリーをどう語るか
1 アリーの生涯
2 さまざまに位置づけられるアリー
3 素晴らしき人、アリー
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〈著者〉
森本 一夫
1970年生まれ
東京大学文学部卒業
博士(文学,東京大学)
専攻,ムスリム諸社会の宗教社会史,シーア派史,イラン史,ペルシア語文化圏研究
現在,東京大学東洋文化研究所教授
主要業績
『ペルシア語が結んだ世界―もうひとつのユーラシア史』(編著,北海道大学出版会,2009)
『聖なる家族―ムハンマド一族』(山川出版社,2010)
KnowledgeandPowerinMuslimSocieties:ApproachesinIntellectualHistory(共編著,GerlachPress,2023)
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