信仰に覚醒するのは、人の持つ直観の才覚に依っている。そこに直観研究の原点と意義が見出される。しかしいざそれは何かと問われると、直ちに即答は難しい。それほどに分かっているようで、不分明なものである。
本書はこの「直観」がイスラームにおいてはどのように把握され、解釈されてきたかを、古典と現代の文献に依拠しつつ可能な限り解明しようとする。幾多の学識者の見解はもとより、原典であるクルアーンと預言者伝承における同課題の扱われ方についてもかなりの頁数を割いて整理、分析している。
このような、ほとんど突っ込んで解析されてこなかった分野を明らかにすることは、宗教信仰に新たな分析の光を当てる試みといえる。そしてこれは「信仰学」確立の一端とも位置付けられる。本書は狭い意味のイスラーム学だけではなく、宗教研究一般にも新たな一石を投じるものである。
【目次】
一、直観研究について
二、原典に見る直観
三、諸説に見る直観論
*各論の特徴点一覧
ア.イブン・アルジャウズィー
イ.アルガザーリー
ウ.イブン・タイミーヤ
エ.アルジャウズィーヤ
オ.アフマド・アミーン
カ.アルブーティー
キ.アルカラダーウィー
四、本書執筆者の見解
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