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氷雪に閉ざされた富士山頂測候所に21年間、生活物資を運び続けた「富士山最後の強力」並木宗二郎の波乱の生涯。
斜面はアイスバーンと化し、人を軽々と吹き飛ばすほどの烈風吹き荒れる冬の富士山。
その頂にある富士山頂測候所で生活する人々のために、30キロの荷物を背負い、21年間、400回以上、厳寒の富士を登り続けた富士山最後の強力、並木宗二郎。
長女が全盲になるという難病と夫婦一緒に闘い、それに疲れ果てた妻が入院、そして自殺……。
幼い三人の子供を男手一つで育てながら、危険と隣り合わせの厳冬の富士山で闘い続けた並木宗二郎の生涯を、ノンフィクション作家・井ノ部康之が描く。
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