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最近の生命科学は、DNAのゲノム解析法や電子顕微鏡(cryoEM)の進歩によって、生命現象に関与するタンパク質の立体構造が次々に明らかにされつつある。それによって、生命現象を化学反応として理解できる機会が飛躍的に増えつつあるので、本書の題名を「生命科学が変わる!」とし、本書一冊で、タンパク質の「立体構造」と「機能」について、理解できるように試みた。
これらの情報によって、病気の治療法を医師と相談する場合や、健康維持のための健康食品の活用、さらに無農薬野菜の栽培などの際にも、文献やネットから、より短時間に正確な情報収集が可能になると期待される。
第1章では、DNA 情報を利用してタンパク質ができるまでの全体像(セントラルドグマ)から、「生きていること」のすばらしさを概観する。これらの内容に親しみのある読者は、この章をスキップして、第2章へ進んでいただきたい。
第2章では、生きることを可能にしている生体分子、とくにタンパク質を中心にして、「生命現象を化学的に、さらに、なるべく定量的に、理解するための基礎知識や一般法則」を理解することを試みる。それとともに、化学反応のうちの平衡反応を紹介する。
第3章では、タンパク質分子の立体構造と、その構造ができる過程や壊れる過程、そして、できた構造の安定性などについて、第2章を活用しつつ理解する。
それとともに、化学反応の平衡と速度との関係を紹介する。
第4章では、タンパク質分子の中の酵素分子について、定常状態(低濃度の酵素と基質との反応)の反応解析によって、酵素反応全体のどのような情報が得られるかを紹介する。それとともに、第3章で紹介した平衡と速度の活用例も紹介する。
第5章では、第2~4章までの情報も利用し、「酵素タンパク質の立体構造と分子機能は、どこまで理解することができるようになったか」、「何がわかっていないか」などについて、実際の例を利用しつつ、なるべく一般性を持たせて紹介する。
第6章で対象となる細胞全体で働いているタンパク質群は、第5章のような個性あるタンパク質たちである。
また付録では、実際に、酵素分子の機能(活性)解析する方法を紹介する。その酵素分子と基質分子の組み合わせが世界初であれば、その実験結果は新発見となる。
全体を通して、タンパク質分子に関連する「これまでにわかった一般法則」を整理するとともに、「まだ各論的現象が発見された段階だが、将来一般法則となる興味深い現象」を読者対象に伝えることで、生命科学研究の発展を期待している。
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