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近年、各社それぞれに「SDGs」達成に貢献する取り組みが進められている。「CSR」「コンプライアンス」という言葉は既にビジネスの基本用語となり、企業として取り組んで当たり前とすら言える。このように社会的課題への取組みが企業において様々に進んでいることについては、論を俟たないであろう。
一方で、その理論に目を向けると、2010 年代以降、発展は芳しくない。それは「社会的課題の解決を企業にすべて平等に求める」とする現行の企業と社会論の立場と「企業は利益の出る範疇で社会的課題に取り組むべき」とする経営戦略論の立場が対立して拮抗しているからである、と筆者は言う。
そもそも、「SDGs」「サステナビリティ」「CSR」「コンプライアンス」など、それぞれ類似の概念ながら、時代と共にキーワードが移り変わり、その定義等も示されるものの、その具体的な取り組み方は企業や組織に一任されている。すなわち企業は自らマネジメント方針を策定し遂行しなければならない。一方で CSR 活動は本来「直接的な利益を目的にしないが企業の存続に貢献する」活動なので、例えば同じ植林活動でも損害保険業と製紙業では意味合いが異なるように、業種や企業によって位置づけが異なり、一般化しがたく、比較も難しい。
本書は、CSR の理論的問題点をクリアにしたのち、CSR 活動や CSV 等の活動の定義と効果を検討した上でマネジメントモデルを提示すると同時に、ベストプラクティス企業を対象に効果についての実証分析を行う。
「流行りに流されないわが社の社会的責任遂行」を考えるための必読の書といえよう。
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