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本書は、近年課題となっている保育士不足解消や保育の質向上の方策の一つとして、保育士の早期離職を防止するための園内体制を検討したものです。保育士の早期離職は複数の要因が絡み合って起こると考えられますが、共通して挙げられているのは園内の人間関係です。そのため、本書では特に各保育施設で構築できる園内体制を中心に検討しました。筆者は、2017年ごろから保育士の早期離職に関する先行研究レビュー、質問紙調査、インタビュー調査、ヒアリング調査と複数の調査を実施してきました。本書では、それらの研究成果を集約し、単に早期離職の防止という観点のみならず、新人・中堅・管理職すべての保育士が生き生きと働き続けられる園内体制について検討しています。業務負担の改善など個別の離職防止策も必要ではありますが、園として何を大事にしていくのか、園の理念や文化を改めて見直し、総合的・重層的に取り組んでいくことが重要であると考えます。
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