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念仏とは宇宙の法則に従うことである―浄土教のダイナミックなコスモロジーを哲学の視点から描き出し、親鸞像の再構築を図る。
I 生死を超えて-ほんとうの救いとは-
生死を超える自然の道
親鸞と法然/お先真っ暗だから救われる/清沢満之の言葉/摂取不捨のはたらきが阿弥陀/自己とは何か/見抜かれて救われる/はからいを捨てる/称名念仏/二種深信/ビハーラ運動の原点/真実のご利益/宗派のエゴイズム/自然法爾
人間の願いと仏の願い
浄土へ生まれたい/四十八願の内容/法蔵菩薩の願い/『往生要集』の影響/臨終を問わない親鸞の教え/如来の願いが私の願い
親鸞のコスモロジー
「コスモロジー」とは/キリスト教の世界観/近代自然科学の自然観/念仏とは宇宙の法則に従うこと/宇宙の死/パスカルとデカルト/宗教と科学の課題/還相回向/現生不退/大いなる生命の流れ/如来はどこにいるか
Ⅱ 名号の宇宙-親鸞の念仏とは何か-
人間と言葉
現代における言葉/ハイデッガーの言語論/南無阿弥陀仏の名号/日常生活の言葉/学問的認識の言葉/宗教的言語/詩人の言葉/法蔵菩薩の誓願/真実の言葉を発見した親鸞
名号の宇宙
浄土真宗の立場/言葉とは何か/名号は人間と仏さまとの通路/真実の言葉の伝統/言葉を聞く
芭蕉と親鸞
仏とは名号である/言葉が失われている現代/芭蕉の詩的言語/言葉の深み/本願の海鳴り
あとがき
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